W1SA車検が切れるの巻
「車検満了日 令和6年5月29日」最近は週末になるたび、この車検証の日付を見てた。
そして今日、車検が切れる。
もちろん今日は車検場ではなく、会社に行った。
車検はなじみのお店に任せることにしたが、ずいぶん先になるだろう。
「乗っている」と「持っている」はどれほど違う意味を持つ状態なのだろうか。
W1が生まれて50年と少し。僕のところへ来て10年、そのうちの多くの時間を、彼は車庫で過ごすことになってしまった。
それなりに面倒をみているからか、とてつもない故障こそないものの、やはり彼は乗り物なのだ。
その役割を満足に果たせていないというのは可哀想なことだろうか。
そんなことを書きながら自分は、「俺の本来の仕事は編集だ。今やっていることは俺の役目じゃない」なんて、仕事の愚痴をカミさんに言ったりしている。
なんとも勝手なものだ。
そんなことより、放っておかれることのほうがどれだけ辛いものか。
ここ最近、走りたいと考えていた理由は次の2つ。
・キャブの中のガソリンを燃やしておきたい
・エンジンにオイルを回しておきたい
そう、純度の低い「走りたい」だ。長期保管を目的としたただの行為。
「そんなの、家の前でエンジンをかけておけばいいじゃないか」
と思う読者諸兄もいるだろうが、住宅街でそんなことでもしようものなら大変。
そして、「ダブワンサウンド」なんて喜んでいるのは一部の変人だけだ。
多くの人はこの破裂音とも爆発音ともいえる音に嫌悪感を抱くだろう。
そういえば、エンジンオイルを換えてからだいぶ時間も経ってしまったな。
そんなオイルで走るのはエンジンに良くない、なんてことを考えている「だけ」で1週間が過ぎ、半年が過ぎ、2年が過ぎた。
「趣味は何ですか」と良く聞かれたのは、去年に転職をして挨拶の機会が増えたから。
「オートバイに乗っています」そんな風に答えていた。
けれど実態はどうだろう。
「オートバイを持っています」が正しいんだろうか。
それすら、趣味と言って良いのか判断が難しい。
では、他に何があるのだ。
子供にはメロメロだし、写真もよく撮る。
車も好き(一応マニュアルの四駆。だけど軽)だけど、近頃はイオンと墓参り、子ども動物公園に行くためにしかエンジンをかけてない。
なぜそうなってしまったのか。
「時間がない」これは本当にその通りで、仕事をしているか子の世話をしているか、それくらいしかない。
でも嫌いなのだ。「時間がない」という言葉が。
いちばん絶望しませんか。
暇がないというだけでなく、人の命や何かの期限にも使われる「時間がない」。
万事休す、お手上げ、降参のようで好きになれない。
少なくとも、言い訳で使ってはいけないような気がする。
なんの話だっけ。
車検か。そうそう。
車検ね……。
ごめんよWくん。