大型バイクアレルギーはもったいない〜中免・大型論争〜

出典:『ハイティーン・ブギ』(牧野和子氏)

僕は大型自動二輪免許を持っている。ついでにいうと車の免許はMT。

世の中には「MT/AT論争」というものがあるらしい。

これは「免許はオートマ限定で十分」なる主張と「マニュアル車に乗れる方がいいに決まってるだろ」という主張がぶつかっているもの。

似たようなものでバイク界隈には「中免/大型論争」も時折り見かける。

これも似たようなものである。

結論は出ないタイプの話。スルメみたいに長く楽しめるやつだ。

特に見るのは、中免ライダーが大型ライダーに噛みついているシーン。

「250ccでこんな魅力的な車種があり、これに勝る軽量スポーツは無い」

だとか

「プロでも無い限り大型車なんて扱い切れる奴は少ない(だから中型で十分)」

しまいには「日本の道路事情に大型車は必要ない」なんて、論点が合っているんだかズレているんだか分からない方向へ行くもんだから話がまとまらないのだ。

しかしここまでムキになるのはなんでなのか。

自分もその立場だったらそう思うのだろうか。

でも考えてみてほしい。

はっきり言って大型自動二輪の免許なんて中型とそう難易度は変わらないし、費用だって数万円しか変わらないだろう。

だから取ってしまえばいいのではないかと思う。

大型免許を取りたい16歳、17歳がヤキモキしているのならわかるが、どうなのだろう。

でも大人になると教習所に通うのって大変だよね。

僕は今の生活に教習所へ通う時間が作れなさそうだ。

それに、手元にすでにマシンがあって、愛着もあったら手放すのは難しいかあ。

そんな事情もあるんだろう。

ただまあ、言ってしまえば大型バイクに乗っていたけれど、小さなバイクに乗り換えた人が「やっぱ250ccでいいや」と言うのと、

大型バイクに乗ったことがないのに「250/400ccが最高で最強」だと思ってしまうのは明確に違うし、それにちょっと勿体ない。

中型バイクと大型バイクのそれぞれに魅力がある。

実際に僕も今ヤマハのブロンコが欲しい。

でも、やっぱり大型と中型は全然違う。

W1くらいだったらそんなに変わらない。ただ重たいだけだから(まあ、音は確かに大型って感じだけど)。

でも1,000ccや1,300ccになると、もう全然世界が違う。

特に高速道路ではもはやマジックカーペットに乗っているような余裕がある。

その余裕って、「本当は凄いやつが大人しくしてる」みたいな種類の余裕で、とても頼もしく感じる。

これは乗った人にしか分からないかもしれん。

マシンはホンダのCB1300SFやカワサキZRX1200だったんだけども(広報車、仕事で数日乗っていた)。

中型であの感覚を味わおうとするのはかなり難しい。

たしかに250ccでもスピードの出るやつはある。

僕も一時期NSR250R-SE(mc21)に乗っていて、時速100kmは通過点だったけれど、大型マシンの持つあの余裕や楽しさは絶対に味わえない。


中免ライダーと大型ライダーが「時速100km」という一つのテーマで話そうとしても噛み合わないのはこの辺りに原因がある気がする。

どちらも「同じ速度」だけれど、思い描く状態や景色が全く違う。

大型ライダーはどちらも知っているケースが多いだろうから、ホンワカしていることが多い。

一方で中免ライダーはそんなホンワカが気にいらないのか、食ってかかっているのを見る。

まあ、そんなバイクに熱くなれるなら、ぜったいに大型乗った方がいいよと僕は思う。

ただ一つ、大型バイクで高速を走っているときに感じるのは「こりゃほとんどオートマだな」ということ。

ここでいう大型バイクとは、新し目のリッターバイクのことですわい。

そう、先ほど言った「余裕」は、逆にいえばどこからでも加速するパワーであり、それが普通に乗れば「オートマっぽい」感じ。

つまり、大型車は急加速でもしない限りはサルーン的な性格なのだ。

もちろん、YZF-R1などは違うのだろうけど。

あ、気づけばMT/AT論争になりそうなのでこの辺で。

追伸:排気量は関係なく、どのオートバイも楽しいと僕は感じる。

だから、排気量を限定せずに乗ってみることがいちばんだよと、伝えたかったのです。

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